株式投資の確定申告|損益通算・繰越控除のやり方と節税シミュレーションを徹底解説

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「株で損が出たけど確定申告した方がいいの?」「複数の証券会社で取引しているけど、損益って合算できるの?」——株式投資を始めると、税金の仕組みが複雑でよくわからないという声は多いものです。

実は損益通算と繰越控除をうまく使うことで、源泉徴収された税金を大幅に取り戻せるケースがあります。たとえば年間30万円の売却損があれば、その損失を使って将来3年間の利益・配当金にかかる税金を最大6万円以上節税できる計算になります。

この記事では、株式投資における損益通算の基本的な仕組みから確定申告のやり方・必要書類・注意点まで、2026年の最新情報をもとに初心者にもわかりやすく解説します。

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  1. 損益通算とは?株式投資の税金の基本を理解しよう
  2. 確定申告が「必要なケース」と「不要なケース」
    1. 確定申告が不要なケース
    2. 確定申告が必要・推奨されるケース
  3. 損益通算の仕組みを具体例で理解する
    1. ケース①:同一口座内で複数銘柄の損益を通算
    2. ケース②:複数の証券会社をまたいだ損益通算(確定申告必要)
    3. ケース③:売却損と配当金の損益通算(確定申告必要)
  4. 繰越控除|損失を3年間繰り越して節税する
    1. 繰越控除の具体例
  5. NISA口座の損失は損益通算できない
  6. 確定申告に必要な書類
  7. e-Taxでの確定申告ステップ(損益通算のやり方)
  8. 損益通算・繰越控除でよくある疑問Q&A
    1. Q. 特定口座(源泉徴収あり)でも確定申告は必要?
    2. Q. 損失を繰り越した年に売買がなくても申告が必要?
    3. Q. 繰越損失を3年以内に使い切れなかった場合は?
    4. Q. 投資信託の損失も株式と損益通算できる?
    5. Q. FX・先物取引の損失は株式と損益通算できる?
  9. 年収別シミュレーション|損益通算・繰越控除の節税効果
    1. シミュレーション前提条件
    2. 投資規模別の繰越控除の節税効果目安
  10. 「損出し」で年末に節税する方法
    1. 損出しの手順
  11. 確定申告前にやっておくべき年末の損益確認
  12. まとめ:損益通算で「払いすぎた税金」を取り戻そう
  13. 損益通算を活用するなら手数料の安い証券会社を選ぼう
    1. マネックス証券|確定申告サポートが充実
    2. DMM株|国内株売買手数料が完全無料

損益通算とは?株式投資の税金の基本を理解しよう

上場株式等の売買では、利益が出た場合に20.315%(所得税15.315%+住民税5%)の税金がかかります。特定口座(源泉徴収あり)を利用している場合は、証券会社が自動的に計算・納税まで行ってくれます。

損益通算とは、同じ年の株式等の売却損と売却益(または配当金)を差し引きして税金を計算する仕組みです。損失があれば、その分だけ課税対象の所得が減り、納める税金が少なくなります。

用語内容
損益通算同じ年の売却損と売却益・配当金を相殺して税金を計算すること
繰越控除その年に通算しきれなかった損失を翌年以降3年間繰り越せること
年間取引報告書証券会社が発行する年間の損益・配当金の合計を記載した書類
申告分離課税株式の売却益・配当金を他の所得と分けて税率20.315%で課税する方式

確定申告が「必要なケース」と「不要なケース」

株式投資をしている全員が確定申告しなければならないわけではありません。まず自分がどちらに当てはまるかを確認しましょう。

確定申告が不要なケース

  • 特定口座(源泉徴収あり)の1つの口座のみで取引:同じ口座内での損益は自動で通算され、税金も自動徴収。申告不要
  • その年に利益がなく、損失の繰り越しも不要:損益通算・繰越控除をしない場合は申告不要
  • NISA口座のみで取引:NISA口座の利益は非課税のため、確定申告不要

確定申告が必要・推奨されるケース

  • 複数の証券会社口座をまたいで損益通算したい:A社で利益、B社で損失がある場合
  • 売却損と配当金を損益通算したい:同一口座内でも、配当金は申告分離課税を選択しないと自動通算されない場合がある
  • 繰越控除を利用したい:今年の損失を翌年以降3年間繰り越す場合
  • 一般口座で取引している:自分で確定申告が必要
  • 特定口座(源泉徴収なし)を選択している:証券会社が税計算はするが、源泉徴収・納税は自分で行う

損益通算の仕組みを具体例で理解する

ケース①:同一口座内で複数銘柄の損益を通算

特定口座(源泉徴収あり)内の取引は、同じ口座内の損益が自動で通算されます。

銘柄結果
A株(売却益)+50万円
B株(売却損)−30万円
損益通算後の課税対象20万円
源泉徴収される税金20万円 × 20.315% = 40,630円
通算しなかった場合の税金50万円 × 20.315% = 101,575円
節税額約60,945円

同一口座内であれば証券会社が自動で処理するため、確定申告は不要です。

ケース②:複数の証券会社をまたいだ損益通算(確定申告必要)

口座結果源泉徴収
A証券(売却益)+80万円162,520円徴収済み
B証券(売却損)−50万円徴収なし
損益通算後の正しい課税額30万円 × 20.315% = 60,945円
還付される金額162,520円 − 60,945円 = 101,575円

このケースでは確定申告をすることで約10万円が還付されます。複数口座を持っている方は、年末に損益を確認して確定申告を検討しましょう。

ケース③:売却損と配当金の損益通算(確定申告必要)

株式を売却して損失があり、かつ配当金も受け取っている場合、申告分離課税を選択して確定申告することで配当金と損失を通算できます。

項目金額
売却損−40万円
配当金(年間合計)+20万円(源泉徴収済み:40,630円)
損益通算後−20万円(課税なし)
還付される配当税40,630円(全額)
翌年以降へ繰り越せる損失20万円分

なお、配当金を損益通算するには確定申告で「申告分離課税」を選択する必要があります。配当金の申告方法については高配当株の税金・確定申告の記事も参考にしてください。

繰越控除|損失を3年間繰り越して節税する

その年の損益通算で控除しきれなかった損失は、翌年以降3年間にわたって繰り越せます(繰越控除)。ただし、繰越控除を利用するには損失が出た年から毎年連続して確定申告する必要があります。

繰越控除の具体例

損益状況繰越損失残高節税効果
2024年売却損 −100万円100万円を繰り越し確定申告で繰越手続き
2025年売却益 +40万円・配当30万円30万円を繰り越し(100−40−30)70万円分の税金ゼロ(節税14万2,205円)
2026年売却益 +30万円0円(完全消化)30万円分の税金ゼロ(節税60,945円)
合計節税約20万3,150円

重要なポイント:損失が出た年も、損失がない年も、繰越控除を使い終わるまで毎年確定申告が必要です。1年でも申告を忘れると繰越が無効になります。売買がない年でも「0円申告」が必要になるため、忘れずに申告しましょう。

NISA口座の損失は損益通算できない

株式投資をする多くの方が使っているNISA口座には、大きな注意点があります。NISA口座内で生じた損失は、特定口座・一般口座の利益や配当金と損益通算できません

NISAは「非課税」の恩恵として利益が非課税になる代わりに、損失も税務上は「なかったもの」として扱われます。確定申告しても損益通算・繰越控除はできません。

口座の種類損益通算繰越控除
特定口座(源泉徴収あり)○(同一口座内は自動)○(確定申告要)
特定口座(源泉徴収なし)○(確定申告要)○(確定申告要)
一般口座○(確定申告要)○(確定申告要)
NISA口座✕(できない)✕(できない)

NISAで運用している銘柄が大幅に下落し含み損を抱えている場合でも、売却しても税務上のメリットはありません。NISAと特定口座・一般口座を上手に使い分けることが、長期的な節税の観点では重要です。

NISAの活用方法については高配当株×NISA成長投資枠の活用術もあわせてご覧ください。

確定申告に必要な書類

損益通算のために確定申告を行う際に必要な書類を確認しましょう。

書類入手先用途
年間取引報告書各証券会社(1〜2月に郵送またはWeb)売却損益・配当金の金額確認
配当金支払通知書(支払調書)各証券会社・発行会社配当金の金額・源泉徴収額の確認
確定申告書(申告書B)+付表国税庁ホームページ・税務署損益通算・繰越控除の申告用
マイナンバーカードまたは通知カード自分で保管本人確認・e-Tax利用

繰越控除を利用する場合は、「上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用の付表」を申告書に添付する必要があります。e-Taxを利用する場合は入力フォームで自動生成されます。

e-Taxでの確定申告ステップ(損益通算のやり方)

確定申告はe-Tax(国税庁の電子申告システム)を使えばパソコン・スマホから手軽に申告できます。マイナポータル連携を使えば、証券会社のデータを自動取込できてさらに便利です。

  1. 準備:各証券会社の年間取引報告書を入手(1〜2月に発行)
  2. 国税庁のサイトにアクセス:「確定申告書等作成コーナー」→「作成開始」
  3. マイナポータル連携(推奨):マイナンバーカードを使ってログインすると、証券会社の特定口座データを自動取込可能(対応している証券会社に限る)
  4. 所得の入力:「株式の売却・配当」欄に各証券会社の損益・配当金を入力。複数口座ある場合はすべて入力
  5. 損益通算・繰越控除の選択:損失がある場合、繰越控除の適用有無を選択
  6. 計算結果の確認:還付税額または納付税額が自動計算される
  7. 送信:内容を確認してe-Tax送信(マイナンバーカードで電子署名)

申告期間は毎年2月16日〜3月15日ですが、還付申告(税金が戻ってくる場合)は1月1日から申告可能です。早めに申告すると還付も早く受け取れます。

損益通算・繰越控除でよくある疑問Q&A

Q. 特定口座(源泉徴収あり)でも確定申告は必要?

A. 1つの口座内で完結するなら不要です。ただし、複数口座をまたぐ損益通算・配当金との通算・繰越控除を利用したい場合は確定申告が必要です。

Q. 損失を繰り越した年に売買がなくても申告が必要?

A. はい、必要です。繰越控除は損失が出た年から毎年連続して申告することが条件です。売買がない年でも「繰越損失残高あり」として申告しなければ、繰越が無効になります。

Q. 繰越損失を3年以内に使い切れなかった場合は?

A. 繰越できる期間は最長3年です。3年を過ぎた損失は控除できなくなります。損失が大きい場合は、翌年以降に意図的に利益確定(利益の出ている銘柄を売却)して損失を消化することも一つの戦略です。

Q. 投資信託の損失も株式と損益通算できる?

A. 公募株式投資信託の譲渡損失は、上場株式等の売却益・配当金と損益通算できます。ただし、公社債投資信託や私募投資信託は対象外です。

Q. FX・先物取引の損失は株式と損益通算できる?

A. できません。FX・先物取引の損益は「先物取引に係る雑所得等」として区分され、上場株式等とは別の区分になるため損益通算の対象外です。それぞれ別の区分内で通算・繰越控除ができます。

年収別シミュレーション|損益通算・繰越控除の節税効果

損益通算・繰越控除による節税効果は、損失額が大きいほど・利益や配当が多いほど高くなります。以下に年収別の節税効果の目安をシミュレーションします。

シミュレーション前提条件

  • その年の株式売却損:50万円
  • 配当金(年間):20万円(源泉徴収額40,630円)
  • 翌年の売却益:40万円(源泉徴収額81,260円)
申告の有無当年の税金翌年の税金合計節税額
申告しない場合配当税40,630円(返ってこない)売却益税81,260円節税0円
損益通算+繰越控除を活用配当税40,630円→還付(損失50万−配当20万=繰越30万)翌年売却益40万−繰越30万=10万円分のみ課税20,315円約101,575円節税

確定申告を2年間適切に行うことで、約10万円以上の節税が実現できます。税率20.315%は年収に関わらず一律のため、損失額が大きいほど・投資額が多いほど節税効果は大きくなります。損失50万円の場合に得られる最大節税額は50万円×20.315%=101,575円です。

投資規模別の繰越控除の節税効果目安

繰越できる損失額最大節税効果(3年間で消化した場合)年間配当金(利回り3%で換算した元本)
30万円約60,945円元本1,000万円で年30万円
50万円約101,575円元本1,667万円で年50万円
100万円約203,150円元本3,333万円で年100万円
200万円約406,300円元本6,667万円で年200万円

高配当株を積み上げてきた方ほど、売却損が出たタイミングで繰越控除を活用する価値が大きくなります。

「損出し」で年末に節税する方法

年末に積極的に活用したい節税戦略が「損出し」です。含み損を抱えている銘柄を年内に一度売却して損失を確定させ、それを当年の利益・配当金と損益通算することで税負担を下げる方法です。

損出しの手順

  1. 年末時点で含み損を抱えている銘柄を確認
  2. その銘柄を売却して損失を確定させる
  3. その損失をその年の売却益・配当金と損益通算(または翌年以降に繰り越し)
  4. 翌営業日以降に同じ銘柄を買い直す(「やり直し購入」または「現物買い直し」)

「同日中の売り・買い」は取得単価の再計算の仕組み上、損失が認識されない場合があります。売却後に翌営業日以降に買い直すことで、税務上の損失として認識されます(米国株の「ウォッシュセール」ルールは日本には適用されないため、翌日以降の買い直しは問題ありません)。

損出しのタイミングは12月の売買最終日(国内株は通常12月26〜29日頃)までに行う必要があります。年末ギリギリになると忘れやすいため、12月初旬から含み損銘柄をチェックしておきましょう。

確定申告前にやっておくべき年末の損益確認

確定申告を有利に活用するため、12月の売買前に確認しておきましょう。

  • 各証券口座の年間損益を確認する(大抵はポータルサイトで確認可能)
  • 利益が多く出ている場合、含み損の銘柄を年内に売却して損益通算することを検討(「損出し」)
  • 損失が多い場合、含み益の銘柄を年内に売却して損失を消化し、翌年の非課税枠(NISA)で買い直すことも一つの戦略
  • 繰越損失がある場合は、利益確定で早めに消化する

ただし、売買の判断は税金だけでなく投資の本来の目的(資産形成・配当収入)とあわせて考えることが大切です。

まとめ:損益通算で「払いすぎた税金」を取り戻そう

  • 株式の売却損は同じ年の利益・配当金と損益通算して税負担を軽減できる
  • 同一の特定口座(源泉徴収あり)内は自動通算。複数口座をまたぐ場合は確定申告が必要
  • 通算しきれない損失は翌年以降3年間繰越控除できる(毎年連続申告が条件)
  • NISA口座の損失は損益通算・繰越控除の対象外
  • e-Taxとマイナポータル連携を活用すれば確定申告の手間を大幅に減らせる
  • 還付申告は1月から申告可能なため、早めに手続きすると還付が早い

株式投資での損益通算・繰越控除は、正しく使えば大きな節税効果があります。確定申告を敬遠していた方も、e-Taxとマイナポータル連携を使えばスマホで完結できる時代になっています。ぜひ今年の損益を確認して、活用できるか検討してみてください。不明な点は最寄りの税務署または税理士に相談することをお勧めします。


損益通算を活用するなら手数料の安い証券会社を選ぼう

損益通算・繰越控除の効果を最大化するには、売買コスト(手数料)を抑えて投資効率を高めることが重要です。

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