最終更新:2026年7月
「全世界株式(オルカン)に投資したいけど、楽天とeMAXIS Slim、どっちのオルカンを選べばいいの?」——同じ「オルカン」でも複数の商品があり、迷う人が増えています。
結論から言うと、表面の信託報酬は楽天オルカンが僅かに安いものの、隠れコストを含めた「実質コスト」と純資産・運用実績ではeMAXIS Slimが優位。楽天証券で楽天ポイントを貯めたいなら楽天オルカン、という選び方になります。
この記事では、2つのオルカンを信託報酬・実質コスト・純資産・ポイント還元で徹底比較し、どちらを選ぶべきかを最新データで解説します。
本記事で比較するのは、「楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド」(楽天オルカン)と「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(eMAXISオルカン)です。どちらも全世界株式に1本で投資できる人気のインデックスファンドです。
- 連動指数は両方ともMSCI ACWIで中身はほぼ同じ
- 信託報酬は楽天0.0561% < eMAXIS 0.05775%(楽天が僅差で安い)
- 実質コストはeMAXIS 約0.113% ≒ 楽天 約0.118%(楽天は運用拡大で差がほぼ解消)
- 純資産はeMAXIS約12.9兆円 vs 楽天約8,000億円で規模はeMAXISが圧倒
- 楽天オルカンは投信残高ポイント(年0.017%)が貯まる強みあり
1. 2つのオルカンの基本比較
まずは両ファンドの基本スペックを一覧で比較します。
| 比較項目 | 楽天オルカン | eMAXIS Slimオルカン |
|---|---|---|
| 正式名称 | 楽天・プラス・オールカントリー | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) |
| 運用会社 | 楽天投信投資顧問 | 三菱UFJアセットマネジメント |
| 連動指数 | MSCI ACWI | MSCI ACWI |
| 信託報酬(税込) | 0.0561% | 0.05775% |
| 実質コスト(目安) | 約0.118% (第2期・低下) |
約0.113% |
| 純資産総額 | 約8,000億円 | 約12.9兆円 |
| 設定日 | 2023年10月(新しい) | 2018年(実績豊富) |
| ポイント還元 | 投信残高ポイント(年0.017%) | なし(販売会社による) |
※信託報酬・実質コスト・純資産は2026年7月時点の各社公表・参考値です(楽天の実質コストは第2期運用報告書ベース、純資産は楽天約8,000億円=2026年4月・eMAXIS約12.9兆円=2026年7月)。実質コストは運用状況で変動し、最新値は各ファンドの運用報告書でご確認ください。
2. 中身(連動指数)はほぼ同じ
まず大前提として、2つのオルカンは同じ「MSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)」に連動しています。先進国から新興国まで約47カ国の大型・中型株をカバーし、米国比率が約6割という構成も同じです。
つまり、投資する中身はほぼ同一。長期のリターンも基本的には連動指数に沿って同じような動きになります。違いが出るのは「コスト」「規模」「ポイント」といった周辺の要素です。
3. 信託報酬で比較:楽天が僅差で安い
表面的な信託報酬(運用中に毎年かかる固定コスト)は、わずかに楽天オルカンが安く設定されています。
| ファンド | 信託報酬(税込・年) |
|---|---|
| 楽天オルカン | 0.0561% |
| eMAXIS Slimオルカン | 0.05775% |
差は年0.00165%。100万円を1年保有しても差はわずか16円程度で、信託報酬の差は実質的に無視できるレベルです。「信託報酬が安いから楽天」と即断するのは早計です。本当に重要なのは次の「実質コスト」です。
4. 実質コストで比較:eMAXISがなお僅差で安い(差は大きく縮小)
投資信託には、信託報酬以外にも売買委託手数料・監査費用などの「隠れコスト」がかかります。これらを合計した「実質コスト」で見ると、信託報酬の順位とは逆にeMAXISのほうが安くなります。ただし、かつては大きかったこの差は、楽天オルカンの運用規模拡大により足元では0.005%前後までほぼ解消しています。
| ファンド | 信託報酬 | 実質コスト(目安) |
|---|---|---|
| eMAXIS Slimオルカン | 0.05775% | 約0.113% |
| 楽天オルカン | 0.0561% | 約0.118%(第2期) ※初年度は約0.1571% |
楽天オルカンは信託報酬こそ僅かに安いものの、隠れコストを含めた実質コストはeMAXISのほうがやや低い状態が続いています。eMAXIS Slimは「業界最低水準を目指す」方針で隠れコストも抑える傾向があります。ただし両者の差は年0.005%前後(100万円で年約50円)と、もはや実用上ほとんど気にならないレベルです。
楽天オルカンは2023年10月設定と新しく、初年度(第1期)は運用規模が小さかったため実質コストが約0.1571%と高めでした。しかし純資産の拡大(約3,100億円→約8,000億円)に伴い、第2期には約0.118%まで低下。かつてのeMAXISとの大きな差はほぼ解消しています。さらに楽天オルカンには投信残高ポイント(年0.017%)があり、これを差し引いた実質的な負担で見ると両者はほぼ互角です。最新値は各ファンドの運用報告書でご確認ください。
5. 純資産・運用実績で比較:eMAXISが圧倒
純資産総額は、ファンドの安定性を示す重要な指標です。
| ファンド | 純資産総額 | 運用開始 |
|---|---|---|
| eMAXIS Slimオルカン | 約12.9兆円 | 2018年〜 |
| 楽天オルカン | 約8,000億円 | 2023年10月〜 |
eMAXIS Slimオルカンの純資産は約12.9兆円(2026年7月時点)と、楽天オルカン(約8,000億円)の約16倍規模。純資産が大きいほど運用が安定し、繰り上げ償還(強制終了)のリスクも下がります。また2018年からの運用実績があり、長期のトラッキング(指数への連動精度)も確認できます。規模と実績ではeMAXISが依然として圧倒的ですが、楽天オルカンも約8,000億円まで着実に拡大しており、繰り上げ償還を心配するレベルではなくなっています。
6. ポイント還元で比較:楽天オルカンの強み
楽天オルカン最大の差別化ポイントが、「投信残高ポイントプログラム」によるポイント還元です。楽天証券で楽天プラスシリーズ(楽天オルカン等)を保有していると、残高に応じて年0.017%相当の楽天ポイントが毎月貯まります。たとえば残高300万円なら年間約510ポイント(月約42ポイント)が自動的に付与され、実質コストを引き下げる効果があります。
さらに、楽天オルカンを楽天カードのクレカ積立で購入すれば、カード決済分に0.5〜2.0%(カードの種類・ファンドの代行手数料により変動)のポイントも上乗せされます。eMAXIS Slimオルカン自体にはファンド単位のポイント還元はなく、付与の有無は販売会社(証券会社)のサービスに依存します。楽天経済圏のユーザーで、楽天証券をメインに使うなら、楽天オルカンのポイント優位は明確です。
楽天オルカンは実質コストがやや高い一方、ポイント還元があります。「実質コストの差」と「もらえるポイント」を比べて、どちらが得かを総合判断しましょう。少額ではポイント還元のメリットが上回るケースもあります。
楽天オルカンは楽天証券だけのファンド。楽天ポイントを貯めながら全世界株に投資したいなら、まず楽天証券の口座から。
※口座開設・維持費は無料。楽天カードのクレカ積立にも対応し、投信残高ポイントも貯まります。
7. 買える証券会社の違い
- 楽天オルカン(楽天プラスシリーズ):主に楽天証券で取り扱い。ポイント還元も楽天証券の仕組み
- eMAXIS Slimオルカン:SBI証券・楽天証券・マネックス証券など主要ネット証券で広く購入可能
SBI証券やマネックス証券をメインに使う人は、そもそも楽天オルカンを選びにくいため、eMAXIS Slimオルカンが現実的な選択肢になります。
8. どっちを選ぶ?タイプ別の結論
| こんな人 | おすすめ |
|---|---|
| トータルコスト・実績・規模を重視 | eMAXIS Slimオルカン |
| SBI・マネックスをメインに使う | eMAXIS Slimオルカン |
| 楽天経済圏・楽天証券がメイン | 楽天オルカン(ポイント還元) |
| 楽天ポイントを積極的に貯めたい | 楽天オルカン |
まとめ:迷ったらeMAXIS、楽天経済圏なら楽天オルカン
| 比較項目 | 勝者 |
|---|---|
| 信託報酬(表面) | 楽天オルカン(僅差) |
| 実質コスト(トータル) | eMAXIS Slim(僅差・ポイント込みなら互角) |
| 純資産・運用実績 | eMAXIS Slim |
| ポイント還元 | 楽天オルカン |
2つのオルカンは中身(連動指数)がほぼ同じなので、長期リターンに大きな差は出ません。違いはコスト・規模・ポイントの周辺要素です。総合的な無難さで選ぶならeMAXIS Slimオルカン、楽天証券をメインに楽天ポイントを貯めたいなら楽天オルカン——これが結論です。
大切なのは「完璧な1本」を探し続けることより、低コストのオルカンで早く積立を始めること。どちらを選んでも、全世界株式に分散投資する優良なファンドであることに変わりはありません。まずは自分がメインで使う証券会社と、ポイント還元の有無を基準に選びましょう。
オルカン選びのチェックリスト
- メインの証券会社はどこか(楽天ならポイント還元を活かせる)
- 実質コストを重視するか(eMAXISが優位)
- 純資産・実績の安心感を重視するか(eMAXISが圧倒)
- 楽天ポイントを貯めたいか(楽天オルカン)
- 新NISAのつみたて投資枠で積み立てているか
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