「確定申告って税務署に行かないとダメなの?」「スマホだけで全部できる?」——毎年2〜3月になると多くの会社員が悩む確定申告。実は2026年現在、スマホ1台とマイナンバーカードがあれば、自宅のソファに座ったまま確定申告が完結します。
この記事は令和8年(2026年)分の所得を、2027年2月16日〜3月16日にスマホで申告する方法を解説します。副業収入がある会社員・医療費控除を受けたい方・ふるさと納税の還付を受けたい方・住宅ローン控除の初年度の方すべてに対応しています。今から準備を始めれば、2027年の申告シーズンに慌てずに済みます。
この記事でわかること:
- スマホe-Taxの事前準備と必要なもの
- マイナンバーカードなしでできるか(ID・パスワード方式の現状)
- 会社員が確定申告が必要なケース一覧
- 副業ありの会社員向けSTEP BY STEP手順
令和8年分・確定申告の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申告対象期間 | 令和8年(2026年)1月1日〜12月31日の所得 |
| 申告受付期間 | 2027年2月16日(火)〜3月16日(月) |
| 還付申告の受付 | 2027年1月1日から可能(還付目的のみ) |
| e-Tax受付時間 | 24時間(メンテナンス時間除く) |
| 申告書提出先 | 住所地を所轄する税務署(e-Taxは電子送信) |
e-Taxはインターネット経由でいつでも申告できるため、税務署の窓口に並ぶ手間がゼロになります。スマホで申告すれば、通勤中や休憩時間でも申告書の作成・送信が完結します。還付申告(医療費控除・ふるさと納税など)は2027年1月1日から受け付け開始のため、申告期間前でも早めに済ませることができます。申告が早いほど還付金が早く振り込まれるメリットもあります。
まず確認:あなたは確定申告が必要?
会社員で「必ず申告が必要」なケース
- 副業・フリーランス収入が年間20万円を超えた(給与以外の所得が対象)
- 2か所以上から給与を受け取っている
- 年収が2,000万円を超える
- 年の途中で退職し、年末調整を受けていない
会社員で「申告すると得をする」ケース(還付申告)
- 医療費が年間10万円以上かかった(医療費控除)
- ふるさと納税をワンストップ特例以外で申請したい
- 住宅ローンを組んだ初年度(住宅ローン控除の初回申告)
- 地震保険料・生命保険料の控除を受けていない分がある
- iDeCoを申告していない(通常は年末調整で処理されるが漏れがある場合)
副業収入が20万円以下でも「確定申告をしなくてよい」のは所得税のみです。住民税は1円でも申告義務があります。また副業収入が年収の壁(103万・130万円など)に影響する場合もあります。詳しくは副業の確定申告「20万円以下」は本当に不要?で確認してください。なお、会社員向けの年末調整と確定申告が重複するケースについては年末調整の後でも確定申告が必要なケース8選も合わせてご覧ください。
令和8年分から何が変わる?スマホ申告の最新動向
令和7年(2025年)分の申告(2026年2月16日〜3月16日)で実装された改善内容が、令和8年分(2027年2〜3月申告)にも引き継がれます。また、政府のデジタル化推進により毎年機能が追加されており、直近の改善点を確認しておきましょう。
- すべての画面がスマホ最適化:2025年1月から所得税申告のすべての入力画面がスマホ表示に対応。パソコン版と同等の操作がスマホで可能に
- マイナポータル連携の拡充:源泉徴収票・医療費・ふるさと納税・保険料証明書の自動取得対象が拡大。手入力の負担が大幅減少
- iPhoneのマイナンバーカード対応:Apple Walletにマイナンバーカードを登録することで、物理カードなしでも認証可能に(対応機種のiPhoneに限る)
- ID・パスワード方式の実質廃止:2025年10月から新規発行停止。マイナンバーカード方式への一本化が進む
毎年少しずつ改良されており、スマホ申告のハードルは確実に下がっています。令和8年分の申告でも、マイナポータル連携さえ事前に設定しておけば、年間の書類管理が自動化されます。
スマホe-Taxに必要なもの【事前準備リスト】
必須:マイナンバーカード(2026年から実質必須)
2025年10月1日よりID・パスワード方式の新規発行が停止されました。これから初めてe-Taxを使う方はマイナンバーカードの取得が必須です。カードの申請から受け取りまで約1ヶ月かかるため、早めの準備をおすすめします。
マイナンバーカードには2種類のパスワードが必要です。
- 利用者証明用電子証明書パスワード:数字4桁(マイナポータルへのログイン用)
- 署名用電子証明書パスワード:英数字6〜16文字(申告書への電子署名用)
必須:アプリのインストール
- マイナポータルアプリ:マイナンバーカードの読み取り・各種書類の取得に使用(iOS/Android対応)
- e-Taxアプリ(確定申告書等作成コーナー):スマホのブラウザ(Safari/Chrome)からアクセスする形式のため、別途アプリのインストールは不要
準備しておく書類
| ケース | 必要な書類 |
|---|---|
| 全員 | マイナンバーカード・銀行口座情報(還付振込先) |
| 給与所得あり | 源泉徴収票(勤務先から年末に発行) |
| 副業・フリーランス | 収入の記録・経費の領収書・振込明細 |
| 医療費控除 | 医療費の領収書・マイナポータル連携で自動取得も可 |
| ふるさと納税 | 寄附金受領証明書(ワンストップ特例の場合は不要) |
| 住宅ローン控除(初年度) | 住宅借入金等年末残高証明書・登記事項証明書など |
マイナンバーカードなしでe-Taxはできる?
2025年10月以前にID・パスワードを取得済みの方は、引き続きマイナンバーカードなしで申告できます。ただし新規でID・パスワードの発行はできなくなっており、今後の主流はマイナンバーカード方式一択になっています。
| 方式 | マイナンバーカード | 2026年時点の状況 |
|---|---|---|
| マイナンバーカード方式 | 必要 | 推奨・主流 |
| ID・パスワード方式 | 不要 | 既存発行済みの方のみ継続利用可。新規発行停止 |
| 書面郵送 | 不要 | 税務署に郵送または持参 |
マイナンバーカードをまだ持っていない方は、申告シーズン(2027年2月)前の秋〜冬に申請することを強くおすすめします。区市町村の窓口またはオンライン(マイナンバーカード申請サイト)で申請でき、受け取りまで約1ヶ月かかります。パスワードも申請時に設定しておきましょう。もし4桁のパスワードを忘れた場合は区市町村の窓口でリセットできます。
スマホe-Taxの手順【STEP BY STEP】
STEP 1:マイナポータルアプリでログイン
マイナポータルアプリを起動し、マイナンバーカードをスマホの背面にかざしてNFC読み取りをします。4桁の暗証番号を入力してログイン完了です。
STEP 2:マイナポータル連携で書類を自動取得
マイナポータル連携機能を使うと、以下の書類データを自動取得して確定申告書に自動入力できます(事前に各機関での連携設定が必要)。
- 源泉徴収票(給与・退職)
- 医療費通知情報
- ふるさと納税の寄附金控除証明書
- iDeCo・生命保険料・地震保険料の控除証明書
- 住宅ローン残高証明書
これらをマイナポータルから一括取得することで、入力の手間が大幅に削減されます。ふるさと納税をした方は特に便利で、自治体に証明書を請求する必要がなくなります。
STEP 3:確定申告書等作成コーナーで申告書を作成
スマホのブラウザで「確定申告書等作成コーナー」(国税庁公式)にアクセスします。
- 「作成開始」をタップ
- 「e-Taxで提出する(マイナンバーカード方式)」を選択
- マイナポータルアプリで認証(マイナンバーカードNFC読み取り)
- 収入種類を選択(給与所得・雑所得・事業所得など)
- 源泉徴収票の内容を入力(マイナポータル連携なら自動入力)
- 副業・フリーランス収入を雑所得または事業所得として入力
- 各種控除(医療費・生命保険・ふるさと納税など)を入力
- 税額の計算結果を確認
STEP 4:電子署名して送信
申告書の内容を確認後、マイナンバーカードの署名用電子証明書パスワード(英数字6〜16文字)を入力して電子署名を付与します。「送信」ボタンをタップすれば申告完了です。受信通知(受付番号)が画面に表示されます。
副業ありの会社員向け:雑所得の入力ポイント
副業収入がある会社員は、給与所得に加えて「雑所得」または「事業所得」の申告が必要です。
雑所得 vs 事業所得:どちらを選ぶか
| 区分 | 対象 | 特徴 |
|---|---|---|
| 雑所得 | 副業・単発の収入(ブログ・アフィリエイト・フリマなど) | 損失を給与所得と損益通算できない。帳簿不要 |
| 事業所得 | 継続的・独立した事業として行っている収入 | 青色申告で65万円控除可能。損益通算できる |
副業が「継続的な事業」と認められれば事業所得として青色申告の恩恵が受けられますが、一般的な副業(在宅ワーク・フリマ・アフィリエイト等)は雑所得として申告します。詳しい申告手順と注意点は副業の確定申告やり方|会社員が初めてでも迷わない全手順ガイドで解説しています。
経費を正しく計上して節税する
副業にかかった費用(通信費・パソコン代・書籍代など)は経費として差し引けます。収入−経費=所得が申告する金額になるため、経費を正しく計上することで税負担を減らせます。認められる経費の一覧は副業の経費で認められるもの・認められないもの一覧を確認してください。
副業収入の計算例(雑所得)
副業が「雑所得」に該当する場合の計算例です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 副業収入合計(ブログ収益・フリーランス) | 380,000円 |
| 経費(通信費・書籍・PC減価償却など) | △80,000円 |
| 雑所得 | 300,000円 |
| 20万円超過分(確定申告が必要) | 100,000円(≠税額) |
| 所得税(税率5%・課税所得195万円以下の場合の概算) | 約15,000円 |
重要なのは「収入ではなく所得(収入−経費)が20万円を超えるかどうか」です。経費をしっかり計上することで申告額を抑えられます。副業が年収の壁(103万・130万・160万円)に影響するかは副業と年収の壁【103万・130万・160万の注意点】で確認してください。
住民税を「普通徴収」にして会社バレを防ぐ
確定申告書に「給与・公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」の欄があります。ここで「自分で納付(普通徴収)」を選択すると、副業分の住民税が会社の給与から天引きされず、自分で納付できるため副業が会社にバレにくくなります。詳しくは副業が会社にバレない方法|住民税の普通徴収の手順を参照してください。
スマホe-Taxのメリット・デメリット
| 項目 | スマホe-Tax | 税務署窓口 |
|---|---|---|
| 場所・時間 | ◎ 自宅・24時間OK | △ 税務署の開庁時間のみ |
| 待ち時間 | ◎ なし | ✗ 繁忙期は1〜2時間待ちも |
| 還付スピード | ◎ 約3週間(書面は約1〜2ヶ月) | △ 書面提出なら遅い |
| 操作の難しさ | △ マイナンバーカード・NFC操作が必要 | ○ 職員がサポート |
| 書類の準備 | ○ マイナポータル連携で一部自動化 | ✗ すべて手動で持参 |
スマホe-Taxの最大のメリットは還付スピードです。e-Taxで申告すると還付まで約3週間で入金されますが、書面郵送だと1〜2ヶ月かかることもあります。医療費控除やふるさと納税の還付を受ける方には特に有利です。
年末調整後に確定申告が必要なケース
「年末調整をしたから確定申告は不要」と思っている方も多いですが、以下のケースでは確定申告が追加で必要です。
- 副業・フリーランス収入が年間20万円超
- 医療費が年間10万円超(または所得の5%超)
- ふるさと納税を6自治体以上・または条件を満たさない場合
- 住宅ローン控除の初年度(2年目以降は年末調整で処理)
- 株式・投資信託の損益通算・繰越控除をしたい場合
確定申告が必要になるケースの詳細は年末調整の後でも確定申告が必要なケース8選で解説しています。
よくある質問
Q:スマホで確定申告するには何歳からできますか?
マイナンバーカードを持っていれば年齢制限はありません。15歳未満の場合は法定代理人の署名が必要な場合があります。
Q:申告期間(2027年2月〜3月)に間に合わなかった場合はどうなりますか?
期限後申告(遅延申告)でも申告自体は可能ですが、無申告加算税(15〜20%)と延滞税が発生します。ただし「還付申告」(税金が返ってくる場合)は期限後でも5年以内であれば申告でき、加算税は発生しません。
Q:医療費控除はレシートを全部保管しなければなりませんか?
マイナポータル連携をしている場合、健康保険組合から提供される医療費通知情報を自動取得できるため、レシートの仕分けが不要になります。ただし、データに含まれない医療費(通知対象外の医療機関など)については領収書の保管が必要です。医療費控除の詳細は医療費控除はいくらから申請できる?計算方法と還付額で確認してください。
Q:ふるさと納税のワンストップ特例を使っていれば確定申告は不要ですか?
ふるさと納税先が5自治体以内で、全員にワンストップ特例申請書を期限内に提出していれば確定申告は不要です。ただし副業収入や医療費控除などで別途確定申告が必要になった場合は、ふるさと納税分もまとめて確定申告に含める必要があり、ワンストップ特例は無効になります。ふるさと納税と確定申告の関係はふるさと納税はワンストップ特例と確定申告どちらがいい?で整理しています。
Q:スマホのNFCが反応しない場合はどうすればいいですか?
端末の設定からNFCが有効になっているか確認してください。iPhoneの場合はケースを外してカードを直接背面に当てると読み取りやすくなります。それでも読み取れない場合は、マイナポータルアプリの再起動・スマホの再起動を試してください。
まとめ:今すぐやるべき3つの準備
令和8年(2026年)分の確定申告(2027年2〜3月)に向けて、今から準備できることを整理します。
- マイナンバーカードを取得・パスワードを確認する——まだ持っていない方は今すぐ申請。申告シーズンまでに間に合わせる
- マイナポータルアプリをインストールし連携設定をする——医療費・ふるさと納税・保険料の自動取得設定をしておくと、来年の申告が格段に楽になる
- 副業収入・経費の記録をつけ始める——年末に慌てないよう、今月の収入・経費からメモを習慣化する
スマホe-Taxは「難しそう」というイメージがありますが、一度経験すると「なんで今まで税務署に行っていたんだろう」と感じるほどシンプルです。副業収入の申告から医療費控除まで、スマホ1台で確定申告のすべてが完結する時代になっています。今年度の収入記録をコツコツ残しながら、2027年2月の申告に備えましょう。 確定申告の概要を先に把握したい方は副業の確定申告やり方|会社員が初めてでも迷わない全手順ガイド、節税方法を合わせて確認したい方は副業の確定申告「20万円以下」は本当に不要?もご覧ください。


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